シックハウス症候群対策

最も重要な対策とは、原因となっている物質を除去することです。
住宅建築前や家具の購入前ならば、化学物質が出にくい建材や壁紙、塗料や接着剤など、材料選びに気をつけることができます。
また設計の時点で、空気の流れが良い間取りにすると、カビやダニの発生の可能性を少なくし、有害物質も屋外に排出されやすくなります。
イスのイメージ建築後であれば、完成後すぐに入居するのではなく一定期間を置いてから(この期間中も換気は必須)入居したり、換気を意識して行うことが有効な対策になります。
また、日光には乾燥・殺菌の効果があるので、カーペットを干すなど自然の力を利用し、工夫するのも良いでしょう。

窓などを締め切り、暖房器具などで強制的に室温を上げることによって、揮発性の化学物質は一気に揮発させてしまおうという方法(ベイクアウト法)も使われてきました。
しかしこの方法は、建材内部の化学物質が残ってしまう上に、残った化学物質が揮発しやすい状態になり、結果的に長期間化学物質が出続けてしまったり、高温で壁紙や建具が反ってしまうというデメリットがあるので、最近では使用例は減ってきているようです。

化学物質吸着する材料や、吸収する材料を室内に設置したり、リフォームで一部取り入れたりすることもできます。
多孔質の珪藻土や墨などは、室内の湿気や化学物質を吸着してくれますが、容量を超えると吸着できなくなります。
更に室内の化学物質の濃度が低下すると逆に吸着したものを放出してしまうこともあり、注意が必要なようです。

また、温度が高くなると化学物質は揮発しやすくなるため、夏は特に換気が必要ですが、冬でも暖房器具を使用する場合には同じように換気を心がける必要があるようです。